自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「考える力」を身につけた人が、陥りやすいこと

考える力を身につけることができれば、映像だろうと、WEBだろうと、グラフィックだろうと、空間だろうと、プロダクトだろうと、何でも仕事にすることができる。僕はそう考えて、今まで仕事をしてきました。

 

自慢話のように聞こえてしまうと思いますが、事実、私自身はそのどれもが本業ではなく、専門的な知識や技術を持ち合わせているわけではありませんが、上記に羅列したすべてのジャンルの仕事を、自分でつくってきました。もちろん、仕事をつくるだけではダメで、最後まで伴奏してくれる頼もしいパートナーがいるからこそ、仕事を仕上げることができている。もちろん、忘れてはいません。いつもありがとうございます。

 

だからこそ僕は、専門的な知識を学ぶことも大事だけど、課題を見つけて、それを解決するアウトプットを考える力を磨くことはもっと大事だと、部下や後輩、自分を頼ってきてくれる人たちに伝えてきました。その結果、僕の目から見ても、周囲の評価に耳を傾けてみても、「考える力」を身に付けたと自信を持って言える部下や後輩が、何人も出てきてくれました。

 

でも、です。
そんな力を身に付けた後輩たちだからこそ、“陥ってしまうこと”がある。

 

「考える力」を身につけると、周囲の評価がわかりやすく自分自身に伝わってきます。仕事もチャンスも増えるし、周囲も評価してくれて、頼ってくれる。「あの人はしっかりと考えてくれるので、任せておけば、安心だ」と、そんな言葉すら、ストレートに聞こえてきたりもする。

 

そう、これが危ない。

 

そんなふうに評価してもらえることで、無意識のうちに、自分は“普通に考えていても”、深く考えられると錯覚してしまい、“考えたつもり”になってしまうのです。そして、さらに恐ろしいのは、考える力を身につけたと評価された人は、周囲から「全然深く考えていないね…」とは指摘されない。深く考えていない(考えられない)と判断されたら、何も言われず、知らず知らずのうちに、自分の仕事が他人に行ってしまっている…。恐ろしいです。

 

僕は20代の頃から、40代、50代の人を見てきましたが、少しずつ、いつの間にか、仕事がなくなってしまう人が決して少なくありませんでした。それはきっと、そういうことなのだと、今は思います。僕もあと2ヶ月で、42歳。「本気で、死ぬほど考えないと、深くは考えられないぞ。気を抜くな!」と自分に言い聞かせながら、明日からの仕事に挑みたいと思います。