自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

何でも「即日」「即レス」の時代だからこそ、“待つドキドキ”が新しい価値になる

今日、何も考えずにボーッと歩いていたとき、ふと視界に、赤いポストが入ってきました。そのとき、まるで映画のフラッシュバックのように、1通の手紙をポストに投函する自分の姿が浮かんできて…。それは、まだ中学生(いや、小学生だったかなぁ…)の頃の自分が、福井県に住む文通相手の女の子に宛てた手紙をポストに投函するシーンでした。

 

その女の子とは、もちろん会ったことはありません。ただ、何回か手紙のやりとりをしたあと、写真を送ってくれたことがあったので、顔は見たことがありました(今は顔も名前も覚えていませんが…)。

 

なぜ、福井県の女の子とつながったのか?
フラッシュバックしたあとに、それを必死に思い出してみたのですが、確か…親に強制的に受けさせられていた学研か何かの通信教育プログラムの会報誌的なものに「文通相手募集」のページがあって、面白そうだからと出してみたような気がしています。つまり、勉強はまったくせず、そんなことばかりをしていたわけで…。ちなみに、どうでもいい話ですが、手紙を送ったということは、当時は誌面上で、住所が公開されていたということでしょうか。今では考えられないことです…。

 

話を本題に戻します。

 

文通って、「ちゃんと届くかなぁ」という不安と、「いつ返事が戻ってくるだろう…」というドキドキ感が味わえるものです。あのキングカズこと三浦知良さんも、りさ子夫人と付き合い始めた当初、ブラジルと日本で文通をしていたそうなのですが、どんなに早くても返事が返ってくるのが2週間後だったので、その間はずっとドキドキしながら待っていて、それが楽しかったと、以前テレビで語っていました。

 

待つ、ドキドキ。

 

即日配送、即日レスポンスが当たり前の今の時代、僕は今後、「待つ楽しみ」が価値になると考えています。

 

たとえば、僕はいつか、半年、1年後に職人さんから商品が届くECサイトをやりたいと考えています。もちろん、ただ購入したお客さんを待たせるだけでなく、製作過程や職人さんの近況などが、定期的にお手紙で届く仕組みです(映像で製造中の様子が購入者だけに届いても面白いと思います)。そして、何通かのお手紙を職人さんからいただいたあとに、待ちに待った商品が届くという…。

 

あくまでも一個人の意見ですが、僕がもし、どうしてもほしい商品があったら、それが即日、翌日に届くよりも、何度かお手紙が届いたあとに、半年後に届くくらいのほうが、ワクワクするし、買いたくなる。早さを追求してほしいというニーズがある反面、僕は待つ楽しみにもニーズがあり、これからの時代は価値があると考えています。そんなビジネスを、これからも考えていきたいな、と。

 

「いやいや、そんな待つビジネスなんて、みんなが望んでないよ…」と思った方には、キングジムのポメラについて書いた、この記事をお送りしたいと思います。