自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「V=バラエティ(多彩な経験)」をしてこなかった30代が、今やるべきこと

ちきりんさんがもう7年も前に、『キャリアのVSOP』という記事を書かれました。
詳しくはちきりんさんの記事をお読みいただくとして、ブランデーの等級を表す「VSOP」にかけて、20代からのキャリアの積み方をそれぞれの頭文字でアドバイスしたものです。

 

20代は「V=バラエティ(多彩な経験)」
30代は「S=スペシャリティ(専門性)」
40代は「O=オリジナリティ(独自性)」
50代は「P=パーソナリティ(人間性)」

 

ものすごくざっくり書くと、20代はとにかくいろいろな経験をして、視野と選択肢を大きく広げてみること。30代からは「これで勝負する!」と道を絞って、専門性で戦う。40代は若手の台頭もあり、専門性だけでは勝負できないので、「あの人っぽい!」と言われるスタンスで、「あの人っぽい!」と言われるアウトプットで勝負する。つまり、独自性で選ばれる人になるということ。そして、50代は何と言っても、人間としての魅力。「あの人と仕事がしたい!」と言ってもらえるようになる。つまり、こういうことです。

 

自分のことを少し書いておくと、僕は20代で3社の企業を渡り歩き、「言葉(=文章)」という軸は残しながらも、周囲の人のサポートもあって、職種やアウトプットするフィールドを変えながら、多彩な経験をすることができました。そして、その経験があったからこそ、30代は「情報発信」と「ブランディング」を専門領域として仕事を続け、37歳でニッポン手仕事図鑑を立ち上げたと同時に、40代のフェーズに向けての準備をはじめました。

 

現在41歳ですが、ここからのテーマは「あの人っぽい!」というオリジナリティがどこまで出せるかが勝負。そして、自分の中で大きな課題である「人間力」を、50代に向けてどこまで磨けるか…先はまだまだ長い。

 

で、自分の話はこのくらいにして。
こういう話題になると、「多彩な経験ができなかった30代の自分は、どうすればいいか?」という話になったりします。

 

おそらく多くの人は、「でも、何か経験をしてきたわけだから、その中から専門分野を決めたらいいよ」とアドバイスするような気がします。でも、僕の考えは違います。「この分野で勝負する!」と言い切ることができず、「多彩な経験ができなかった30代の自分はどうすれば…」と悩んでいるということは、やっぱり経験が足りないということです。

 

であれば、覚悟を決めて、20代に時間を巻き戻したくらいのつもりで、経験を積んでいくしかないと思うのです。
今は「ボランティア」「サポーター」という立ち位置であれば、関われる仕事は多いし、情報も集められる。会おうと思えば、会いたい人とほんの少しだけでも話せる機会も多い。そう、過去を悔やんでいる時間があるなら、覚悟を決めて、今すぐに動くしかないのです。