自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「引退する決断」をする

2018年も年明けから、いろいろなところで「新年はまず、やらないことを決めよう!」という話題をよく耳にしますが、確かにとても大事なことです。
わたし自身も「今年やらないこと」をハッキリと決めましたが、今年はさらにもうひとつ踏み込んで、年内に「引退する」ことも決めています。

 

ここで書いてしまうと、ちょっと周囲がざわついてしまうような気もしますが、今年は「映像ディレクター」から引退しようと考えています。

 

やはり、さらに前に進もうとしたとき(自分が変化し、進化する覚悟を決めたとき)、何かの大切な時間を捨てないと、新しい大切な時間は生まれないし、大切な肩書きをひとつ降ろさないと、次の大切な肩書きは背負えないからです。映像の現場は面白いし、自分がディレクターに立って、いい映像ができたときは嬉しい。周りも評価してくれるので、気持ちもいい。でも、誰かにバトンタッチをして、次に進もうかな、と。

 

もちろん、お金を稼いできた肩書きを捨てる怖さはあります。でも、引退する決断のタイミングは、とても大事だと思うのです。

 

自分自身が「もうダメだ…」というときに次に進もうとしても、もうそこにはエネルギーが残っていないことが多い…。周囲が「えっ、もったいない」「いやいや、まだやれるでしょ?」と言ってもらえるくらいがちょうどいいし、「まだまだやれる!」と自信を持って言えるくらいではないと、次の新しい領域に進んでいけない。だから、「まだやれる!」と言えるうちに、大切な肩書きを下ろしたいと考えているのです。

 

もう全然レベルが違うので、並べて語ることすら厚かましい話なのですが、1977年生まれで同じ年の安室奈美恵さんも、同じようなことを考えたのかなぁなんて思ったりもしています。

 

個人的な想像ですが、「踊れなくなった…」「歌えなくなった…」と言われて晩節を汚したくないという低い次元の話ではなく、次に進んでいくために「歌手」「アーティスト」という肩書きを下ろすのではないかという気がしています。だからこそ今後、何かを仕掛けていくのではないかな、と期待しています。「十分にお金があるから、何もしないで悠々自適に…」とは考えていないような…。あくまでも勝手な想像ですが…。

 

それはさておき。
何かから引退しないと、第二の人生は始まらないし、自分の人生の第二章の幕も上がらない。何かに一区切りつけて、心機一転、人生をリスタートしたい人は、何かから「引退する(=大事な肩書きを下ろす)」ことを考えるタイミングなのかもしれません。


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