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「いい企画」と「勝てる企画」は、微妙に違う 〜不利な状況下での「競合プレゼン」の戦い方~

普段は世田谷ものづくり学校のオフィスにいるのですが、どうしても外せない打ち合わせが入り、久々に一昨日、麻布十番のオフィスへ行きました。
そのときに少し待ち時間ができたので郵送物をチェックしていると、こんなキャッチコピーが目に飛び込んできて…。

 

「御社の提案はとても良かったのですが、今回は他社に決めました…」

 

競合プレゼンをどのように勝っていくかを指南する、ビジネスマン向けセミナーのDMのキャッチコピーでした。確かにこんなふうに言われることは、少なくありません。私も過去、何度言われたことか…。

 

地方自治体や苦戦する民間企業が現状を打破するための一手を打つべく、「斬新なアイデアがほしい!」とオリエンで言っておきながら、最後は無難な企画やアイデアを選ぶことは少なくありません…。そう、「いい企画」と「勝てる企画」は、微妙に違うもの。最終的に何が選ばれるかを判断するのは、至難の業です。講座ではオリエンでのヒアリングのコツや、相手が求めていることは何か? をどう読むか、数多くの競合の中で自社の強みをどのように主張していくかなどを教えてくれるようなので、個人的にはとても興味深いです(結構な受講料なので、私は受講はしませんが…)。

 

このような競合プレゼンの戦い方にはみんな関心があるので、私も地方自治体のプレゼンなどで勝つことがあると、同じようにコツを聞かれることがあります。
とても当たり前のことを書きますが、基本的には相手の要望や課題をしっかりと把握し、相手が求める成果が出せる企画を提案すること。「これだ!」という手応えを感じる企画は、やっぱり勝てますから。

 

ただ、いつもそんなにうまくはいきません…。
相手の要望も読めず、いいアイデアもなく、自社の強みも生かせず、価格的なメリットも出せず…。勝算が低いと感じるときは多々あります。それでも、勝たなければならない。そんなときはどうするのか?

 

正直、あまり推奨できる考え方ではありませんが、競合が提案してくるだろうアイデアの方向性、クライアントの中にある「無難な企画=実施しやすい企画」が何か? を徹底的に考え、それらを徹底的にダメ出しをして、相手の企画をつぶしにかかります。つまり、競合の企画や無難な企画を“選びづらく”させるのです。

 

これがハマると、自分の企画が大したことがなくても、勝てることがある。不利な状況下では、たまにこんなふうに「競合プレゼン」を戦ったりします。
私はこれで「御社の提案はとても良かったのですが、今回は他社に決めました…」と言われることが、だいぶ少なくなりました。でも最後に念押しですが、一番の勝てるコツは、「相手が求める成果を出せる企画」を出すこと。小細工しなくても勝てる相手が選ぶ企画を出すことです。これがなかなか難しいのですが…。