自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

発想力を鍛え、自分の殻を破るために、あえて負け戦に挑んでみる

自分の発想力、企画力が伸び悩んでいる気がする…。
若い頃よりも自由に考えられず、頭が固くなっている気がする…。
そんな悩みを抱えている人が結構多いようです。特に、結果が求められ、責任のあるポジションにいる方に多いような気がします。

 

歳を取ると斬新なアイデアが出せなくなると言われますが、私は年齢によるものというより、結果を求められる(あるいは恥をかきたくないというプライドが邪魔する)あまりに冒険ができず、より確実性を求めることが“癖になってしまう”からではないかと考えています。

 

つまり、結果を求められるポジションにいると、どうしても結果が“出そう”なアイデアに行き着きます。だから、慎重になり過ぎて、冒険ができない。それが続くと、「確実に結果を出せるものは何か?」と考える癖がついてしまうのです。そしてそれは多くの場合、思いきったアイデアではなく、過去の成功事例を伴った無難なアイデアだったりします。ひとつ断っておくと、企画やアイデアは誰かの課題を解決したり、世の中をよくするためのものなので、目的が達成できれば、斬新であっても無難であっても、どちらでもいい。そこは忘れてはいけません。

 

話を元に戻します。
結果を求められる立場である以上、確実に結果を出そうとするのは当然のこと。
ただ、それが続くと発想力や企画力が鈍り、斬新なアイデアが出せなくなり、提案する企画の幅も狭くなってしまう。それはとても怖いことです。だから私はあえて、「負け戦に挑んでみる」ことをやっています。

 

どういうことか。
どんな仕事でもほとんどの場合、比較される競争相手(競合他社)がいて、仕事をもらうための勝負に挑み、勝たなければなりません。勝てる可能性が十分にある勝負もあれば、明らかに勝つ可能性が低い勝負もある。後者の場合、「降りる」という決断をする企業も少なくありませんが、でも、そこをあえて戦ってみるのです。

 

「明らかに勝つ可能性が低い」ということは、何かしらの“大きな差”があるわけです。つまり、普通に戦っても勝てないので、大逆転を狙うしかないわけです。だから当然、いつもと発想を変えなければなりません。それが、ちょっと頭が固くなっている自分に“効く”のです。

 

このチャレンジがいいのは、自分を高めてくれることにつながるのはちろん、負けても仕方がないという状況の中での勝負なので、自分の評価が下がらないこと。
「個人的には成長できるからいいけど、企業としては無駄なんだよ…。社員の時間だって、コストなんだから!」という人もいるでしょう。
私は無駄ではないと思っています。大逆転を狙ったアイデアを出しておくと、相手の印象にも残りやすいので、そのときの勝負で負けても、後で仕事の相談が来ることが意外に多かったりするのです。そう、実は営業活動にもなるのです。

 

もし、周囲の人が許してくれるのなら、自分の未来のために、そして次の仕事につなげるために、あえて負け戦に挑んでみることをオススメします。もしかすると、あとでとんでもないビッグチャンスがやって来るかもしれませんから。