自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

「自分の取扱説明書」を持っていますか?

20代の頃、“自分だけの教科書”をつくったことがあります。
尊敬する方々からいただいた言葉、企画のコツや文章を書くときのポイント、自分が失敗しがちなことなどをまとめて、毎日何度も何度も見返した自作の教科書。数年使い続け、自分の身にしっかりと染みこんだと実感したときに手放しました。あの教科書には、本当に何度救われたか…。

 

自分の教科書。
おかげさまで多くの方に読んでいただけた記事「自分の教科書を、10冊みつける」に書いたような、とっておきの10冊も自分の教科書です。
でも、それらの本が日々の仕事でいつも役に立つかと言えば、そうではありません。だから、自分専用の教科書をつくり、いつも近くに置いておきました。調べてみるとわかりますが、職業を問わず、自分だけの教科書をつくっている人は結構多いものです。だから、効果はあるのだと思います。

 

さて、ようやく本題に入りますが、そんな自分の教科書と同様に、「自分の取扱説明書」をつくってみようという趣旨の記事をたまに見かけます。
個人的には必要を感じたこともなく、だからつくってみたこともないのですが、実は先日はじめて「自分の取扱説明書」をつくっている人の話を聞きました。

 

自分の取扱説明書も、いいかもしれません。

 

たとえば、ストレスがたまる。落ち込む。やる気が起きない。
そんなときの自分の取り扱いに困ることは日常茶飯事ですし、同じストレスがたまると言っても、種類もさまざまなので、対処方法も違います。
「自分の取扱説明書」があると、確かに便利です。

 

こんなときの自分は、こうすればいいということがわかっていれば、無駄に悩むこともありません。長い時間悩むことで、精神的なダメージも大きくなるので、そういう意味でも効果的なツールです。もちろん、自分のエンジンのかけ方などがわかっていれば、仕事のクオリティもグンと上がります。

 

それに、自分の取扱説明書はつくったあとの効果よりも、つくるプロセスにも価値があります。自分の説明書をつくる作業は、「自分を知る」作業でもあるからです。そう、まさに自分と向き合う作業。その作業の中でたくさんの発見があるわけです。「そうか、自分はこうなんだな…」なんて。
実践している人の話を聞いてみて、自分の取扱説明書をつくる価値は、自分が思っていた以上に大きいのだと感じました。