「仕事をつくる」ということが語られるとき、「人脈をつくる」ことも合わせて語られたりします。名刺を持っているだけの関係性は論外だとしても、すべてが濃い関係性の人脈でなければならないわけではないと思っています。
私はむしろ、「第二群」の人脈がとても大切だと考えています。
「第二群」とは、少し関係性の薄い人脈のことです。そうなると当然、「第一群」は深い関係性の人たちになります。
深い関係性の人=第一群の人たちは、自分自身にとっての何よりも大切な存在です。それは言うまでもありません。ただ、近すぎるがゆえのデメリットもなくはありません。
例えば、第一群の人たちに何かアドバイスや相談をしたとき、関係性が近いこともあり、現実のいろいろなことを加味した上でアドバイスなどをしてくれます。そのアドバイスはだからこそ、自分の「想定内」であることが多い。
ただ、第二群の人たちのアドバイスは、こちらの状況をあまり把握していない分、先入観がなく、情も入らず、ものすごく客観的で、打算もないアドバイスをしてくれます。これが意外に、ハッとさせられたりするわけです。「あっ、そういう見方もあるのか…」と、新しいメッセージや気付きが得られることも多いのです。だから定期的に、第二群の人(私は年上が多い)に会って、客観的な意見やアドバイスをいただいていたりします。この時間がとても貴重な時間になるのです。
「人脈」というと、深い関係性を築くこと、密度の高いコミュニケーションをすることだと考えがちですが、ある程度の年齢を重ねても「成長を続けることができる人」は、先入観なく、客観的に、冷静に自分を眺めてくれる、ちょっと関係性の薄い「第二群」の人脈を築いているような気がします。
身近な存在だからこそ、できることもたくさんあれば、盲目になってしまうこともあります。少し距離のある関係だから、見えることもたくさんある。第二群の人脈も、大切するべき存在です。
定期的に、ハッとさせてもらいましょう。