自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

活版印刷「築地活字」の魅力に、松浦弥太郎さんも惹かれた

日本の手仕事の魅力を伝え、その技術、作り手の想いを残していくことを目的とした、新しい動画メディアを立ち上げることになりました。

 

その取材先の候補を探していると、横浜で唯一、活字の鋳造から印刷までをワンストップで手がけている企業を発見。名前は築地活字。100年近い歴史を誇る企業です。身近なところにもまだ知らない、魅力あふれる企業があるものです。世の中は狭いようで、広いものです。

 

先週末、撮影のロケハンを兼ねて、ご挨拶へ伺いました。代表の平工さんが自ら工房を案内してくれて、活版印刷について、熱く語ってくれました。

 

最近、活版印刷は若い人たちにも注目をされているので、「鋳造見学体験会」などを実施しても人が集まるそうです。また、こだわった名刺を持ちたいと、業種や年齢、性別を問わず、依頼をしてくる人も増えているそうです。1度、現物を見みると一気にその魅力に取り憑かれると思いますが、活版印刷の名刺は、存在感が違います。クリエイターや弁護士の方の名刺を見せていただきましたが、個人の力で勝負する人は名刺にこだわる。会社員でも、自分オリジナルの名刺を持っている人もたくさんいます。名刺は立派なプレゼンテーションツールですからね。

 

活版印刷には、オフセット印刷にはない「味」「魅力」「存在感」があります。私が尊敬する松浦弥太郎さんが編集長を務める『暮らしの手帖』もお仕事を依頼されているとか。さらにはあの伊勢丹からも声がかかり、近々ワークショップも行うようです。さすがです。

 

ただ、理想と現実と言いましょうか…。
若い人から注目を集め、デジタル全盛の今、その独特の温もり、質感への関心は高まっていますが、その半面、技術を教える人が少ない…。鋳造設備の部品が見つからない…。材料の調達が難しい…。いろいろな課題を抱えているのもまた、事実です。儲かるか、儲からないかと言えば、まだまだ楽観視できる状況にはありません。

 

それでも代表の平工さんは「諦めず、どんどんと露出していて、魅力を伝えていくしかない!」と。その熱さに痺れました。熱がヒシヒシと伝わってきます。

 

日本には、誇れる技術や文化があります。その火を、消してはならないと強く思いました。