自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ

後輩が、夢を叶えました。

 

バイヤーになって、素晴らしい商品のつくり手と消費者をつなぎ、多くの人に笑顔になってもらいたい。そして、人の心を豊かにする品々を揃えるショップを運営する店主となって、来店してくれる人たちを笑顔にしたい。そんな夢を抱いて、福島県から10年前、25歳でひとり上京してきた後輩。

 

正直、バイヤーという夢に近づくための経験を積んできたわけでもなく、当然コネもなく、学歴も、突出した才能もあるわけでもありませんでした。あるのは、夢を叶えたいという情熱だけ。人を笑顔にしたいという想いだけ。人生の諸先輩方からは「悪いことは言わないから、そんな夢を追うのはやめなさい」と言われ、不安に押しつぶされそうになりながらも、後輩は夢を追い続けました。

 

その10年間を、私はずっと見てきました。必死に努力をしてきた日々。もがき苦しんだ日々。成長できない自分を否定し続けた日々。すべてから逃げ出し、田舎に帰ろうとしたこともありました…。

 

それでも彼は、夢から逃げなかった。10年間、夢を追い続けた。
心が折れそうになるときほど、夢を諦めてしまいそうになるときほど、彼は“夢を語って”いました。自分の夢を、自分の口で語れなくなると、その夢はいつしか消えてなくなってしまう…という私の持論を覚えていてくれたのかどうかはわかりませんが、彼は自分の夢を語り続け、日々自分自身を奮い立たせて、地道に、愚直に、行動をしてきたのです。

 

そして、上京から10年経った節目の今年、彼は夢を叶えました。
バイヤーという肩書で仕事ができるようになり、期間限定ながらも、東京都内でショップの運営を任されるようになりました。10年後に、ようやく夢の舞台に立てた。身近で彼のことを見てきたひとりとしては、感慨深いものがあります。「笑顔になってもらいたい」という、本当の夢が叶うかどうかはこれからですが、どのように叶えてくれるか、今からとても楽しみです。

 

「夢は逃げない。逃げるのはいつも自分だ」
とある先輩からいただいた高橋歩さんという方の本に、こんな言葉が書いてありました。とても素敵な言葉だと思います。

 

後輩の彼を見ていると、夢って逃げないんだなぁ、夢から逃げるとしたら、それは自分自身なんだなぁとしみじみ思います。生きているうちに、夢に“追いつける”かは、誰にもわかりません。でもきっと、夢は逃げない。夢に追いつける日が来ることを信じて、一歩一歩、進んでいくしかないのです。