自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

セルフブランディングは、誰にでもできる

2015年は今まで以上に、「セルフブランディング」という言葉を強く意識した1年でした。

 

今年の最大の使命は、『ニッポン手仕事図鑑』という誰も知らないメディアを、何とかこの1年でビジネスチャンスを生み出せるメディアに育てること。でもいきなり、『ニッポン手仕事図鑑』にチャンスをくれる人がいるはずもなく、突然たくさんの人に応援をしてもらえるようになるはずもありません。まずやるべきことは、自分自身を認めてもらうこと。そう、セルフブランディング。ウィキペディアにも、セルフブランディングとは「自らをメディア化し、自らの力でプロモーションする」と書かれていますが、とにかく地道に自分自身の活動を発信し続け、活動に共感してもらうしかなかったのです。

 

結果から言うと、不完全燃焼感が多少あるものの、及第点をあげられるくらいの1年だったかな、と。そう思っています。

 

そんな1年を終えてみて、セルフブランディング(またはパーソナルブランディング)には何が大切かが、少しわかってきました。あくまでも個人的な考えではありますが、簡単にまとめると、「肩書き×情熱×実績」です。

 

まずは「肩書き」ですが、これは地位的なものではありません。
セルフブランディングで大切なのは、何をしている人か? という相手の疑問に対する、わかりやすい肩書きです。『ニッポン手仕事図鑑』ではプロデューサーやプランナーなどではなく、“編集長”にしました。それによって、初対面の人でも何をやっているかがわかりやすい。これは本当に大切なのですが、世の中には何をやっているのかがわかりにくい人が多い。そうすると、相手との距離感が縮めづらく、見えない壁ができてしまいます。何をやっているかをわかりやすい肩書きにして、シンプルに説明できるように準備しておくこと。これは大事!

 

そして次に、「情熱」。
今年1年、さまざまな人と仕事をして感じたのは、「誰が一番、スキルがあるか?」よりも、「誰が一番、本気になれるか? 熱くなれるか?」を見て、人は仕事のパートナーを選んでいるということ。

 

年末最後に勝たせていただいたコンペも、私から見たら「巨人」とも言うべき存在のテレビ局2社が競合でした。スキルや技術、経験で勝てるはずもありません。でも勝てたのはどうしてか? 誰よりも本気だったからだと思います。そこは負けない自信がありました。スキルがない、経験がないという言い訳はしないこと。大切なのは、情熱。そう思っています。

 

最後は、「実績」。
経験よりも情熱が大事だと書いておきながら、少し矛盾しているように聞こえてしまうかもしれませんが、やはり「実績」は安心感になります。秋田県鹿角市と、キリンラガービールのスペシャルムービーの仕事をやらせていただく前と後では、風向きが大きく変わりました。情熱が何よりも大切ですが、相手に安心感を与える実績も大事。でもこれは、大きな仕事でなくてもいいのです。鹿角市とラガービールの仕事につながったのは、自主的に制作した1本の映像でした。自分たちができる小さな行動=実績から、風向きが変わる大きな仕事が生まれるのです。

 

少し長くなりましたが、「肩書き×情熱×実績」を大切にしつつ、あとは行動あるのみ。たくさんの人に会って、たくさん語る。セルフブランディングなんて自分にはとても…という人もいますが、セルフブランディングは特定の誰かだけのものではなく、誰にでもできることだということです。そう、やるか、やらないか、です。

 

来年ももっとセルフブランディングを頑張っていきたいなと思うのは、自分の価値が高まり、『ニッポン手仕事図鑑』の価値が高まることで、関わってくれるフリーランスや職人さんの価値も高まっていくという連鎖が起きるからです。その方々の期待に応えられるように、来年も頑張ります。