自分の仕事は、自分でつくる

明日の仕事のヒントと、行動力の高め方

思考停止する前に、たまには便利を捨ててみる

他の企業の社員研修に参加する機会があるのですが、面白い研修が多い。特に大手企業は研修プログラムが面白いものが多く、力を入れているな、と感じます。研修よりも、現場でもっと自力がつくような環境を整えたほうがいいと思うのですが、その個人的な感想はさておき…。

 

先日参加した社員研修もなかなか面白かったのですが、そのプログラムのひとつに、グループワークで「未来のITツールを考えてみる」という課題がありました。
そのときに司会進行役の方が事例として紹介したのが、「未来シューズ」。大雑把に説明をすると、カーナビの靴バージョンです。道を歩いていて、右に行くときは右足の靴が振動して、左に行くときは左足の靴が振動する。ただ道を案内するだけでなく、近くのオススメのお店を教えてくれたり、混雑している道を避けてくれたり…。

 

アイデア自体はとても面白く、試作品も出ているようです。このアイデアや商品自体を否定するつもりはまったくありません。
でも、その未来シューズという商品を見て思ったのは、ここまで来てしまうと、思考が浅くなり、感性が鈍くなってしまう人がどんどん増えるという危機感です。

 

歩いているときはいろいろと考えたり、感じたりしているものです。近道を考えたりすることもあれば、「あっちは何か雰囲気が良さそうだな…」と感じることもある。でも、靴の振動に意識が行くことで、少なからずその町の景色や匂い、雰囲気を感じる感度が落ちます。

 

便利なツールをうまく使える人も当然いますが、そのツールを手にすることで、考えることが面倒になったり、感じることが少なくなったりする人もいます。少しキツい言い方をすると、スマホを手にしたことで、思考停止した人、考える癖が身につかない人がかなりいると思っています。これは本当に怖いことだな、と…。

 

技術の進化は新しい可能性を生むので、素晴らしいことですし、便利になるのもありがたい。ただ、失うものもあるということを意識しておかないと、自分の思考と感度がどんどん鈍くなってしまいます。
そう、目の前にある便利を捨ててみることも、ときには大切なことかもしれません。