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多くの仕事がなくなる10年後を生き抜くためのヒント

「地元就職なら奨学金」は素晴らしいこと?


9月23日、本を出版しました!

「地元就職なら奨学金」という見出しが、今日の日経新聞の一面にありました。政府が2015年度から地方に就職する大学生に対して、学費を支援する制度を始めるそうです。これ、本当に素晴らしいことでしょうか? いや、素晴らしいことでは、確かにあるのですが…。

 

支援を受ける条件は「卒業後に地方で一定期間働くこと」だそうです。

 

その条件を見て、思ったこと。

若者の流出が顕著な地域に仕事で行ったり、地域活性化を支援する雑誌のプロデューサーに話を聞いたりしていると、東京に人材が集中することに大きなリスクがあるのは本当によくわかります。それを防ぐために各地域で何ができるか、国や政府が何ができるかを考えることには大切です。「地方創生」は今、何よりも重要だと言ってもいいくらいだと、個人的には思っています。

 

でも、地域に残った学生が一定期間働いた結果、地域経済がさらに悪化し、就職した会社が立ち行かなくなったとき、その学生はどうやって生きていくのでしょうか。「厳しい時代を生き抜く力(スキルや経験、知識等)」は身に付いているでしょうか。もちろん、選択するのは学生個人。地方で働くことを選んだ個人に責任があるのはわかります。だとしても、地方につなぎとめた結果、どうにもならなくなったとき、彼らはどうするのでしょう…。

 

若者が地方に残ることは重要です。そのためにはお金という援助も必要。でも、ただ学生を残すだけでなく、その地域で過ごす数年で「力を付けた結果」、地元企業が成長し、地域経済が活性化され、人が集まるようになる。地域の守るべき文化なども守れる。これはすごく素晴らしいことです。

その半面、悪いことはあまり考えたくはありませんが、さらに地域経済が疲弊し、その地域を離れざるを得なかったとき、その学生が他の地域でも活躍できるようになっているのがベストです。就職した地域の経済がどちらに転んでも、学生たちにとって、地域に残ることが未来につながるか。学びがあり、成長ができるか。

 

学生を残す学費支援の制度だけでなく、同時に「生き抜く力」を身につける環境もつくる。インターネットが普及しても、地方と東京では情報格差が激しいのが実情です。北海道のある都市で、情報発信のスキルを学ぶ講座を開催しましたが、そういった学びの格差=成長速度を埋めていったりすることで、地域でも生き抜く力を付けられるようにしてほしい。

 

雑な表現ですが、若い世代がひとりで生き抜く力を身に付ければ、自然と地方に流れていくと思いますし、地方という財産も守っていけると思うのです。